東部
古川美術館 特別展「木村光宏日本画展・我行画想 ―思いのままで―」
・分館 爲三郎記念館 特別展「喜々想描 -花・風景 木村光宏日本画展」
ふるかわびじゅつかん とくべつてん きむらみつひろにほんがてん がぎょうがそう おもいのままで ためさぶろうきねんかん とくべつてん ききそうびょう はなふうけい きむらみつひろにほんがてん
日本画家・木村光宏は日展を活動の拠点とする、東海地方を代表する日本画家です。本展は古川美術館で三回目となる木村光宏の個展として、画業の原点を振り返りつつ、今の木村光宏の境地を展覧いたします。
現在東海地区の重鎮として活動する木村光宏は、日展の特選を受賞した「ピエロ」「生」の画業初期には、人物画を描いていました。しかしその後、人物群像を描くようになります。この頃から人物の背景にあった自然に着目するようになり、人物に背景を足していく“足し算”の表現ではなく、自然が作り出した完成した風景から、自身が感動したものを抽出していく“引き算”の表現を求めるようになります。そして風景画家・木村光宏が誕生したのです。しばらくは色鮮やかな風景作品を発表しますが、次第に心の内面を見つめるかのように抽象的世界へ展開していきます。最近では箔を使用した抽象的な風景画作品を制作しています。
それらの作品の根底にはこれまで木村が出会ってきた海、山、滝、湿原など様々な土地の美しい風景があります。そしていかなる風景を描こうとも、木村が描き出した作品は≪我が行いは絵心の想うがまま≫という境地でもあるでしょう。また、分館 爲三郎記念館では、「喜々想描-花・風景 木村光宏日本画展」と題して、美しい花や風景を描いた木村光宏の新作作品を昭和初期の数寄屋建築に展示いたします。木村の記念館全館を使用した展示は今回で2回目。前回は「墨游~木村光宏 墨と戯る」(2022年)と題した墨画展で、抽象的な表現にこだわった墨画作品を展示しました。このような墨画の表現はその後の木村の作品にも影響を与えているように感じます。
今回は抽象から再び具象に戻ります。美術館に展示している日展出品作のような大きな作品ではありませんが、爲三郎記念館という数寄屋建築に合わせた少し小さめの花や風景の作品が並びます。サイズは小さくとも内に込められた木村の思いは同じです。美しいと思う風景を心のままに描き出した作品は “いつか見た風景”として心をとらえます。また木村によって描き出された花や日本の美しい風景が、数寄屋建築の意匠や庭園と響きあい、観るものの心を癒します。
古川美術館・分館爲三郎記念館両館を通して、常に自身の新しい表現を模索し続ける木村光宏の魅力をご堪能下さい。
古川美術館での展示(一部)
分館 爲三郎記念館での展示(一部)
スポット情報
古川美術館・分館 爲三郎記念館
- 古川美術館は、初代館長故古川爲三郎(1890-1993)が長年にわたって収集し大切にしてきた美術品を、「私蔵することなく広く皆様に楽しんでいただきたい」という想いからその寄付を受け、平成3年11月に開館いたしました。所蔵品は、近代日本画を中心として、油彩画、陶磁器、工芸品、また、15世紀の手描き彩飾写本など、約2800点になります。現在は、所蔵品による展示を行うとともに美術講演会、ワークショップなどの教育普及活動もいたしております。
分館の爲三郎記念館は、爲三郎没後、「みなさんの憩いの場として使っていただきたい」という遺志により、平成7年11月から私邸を公開しています。昭和9年に建てられた爲三郎記念館の母屋で数寄屋造りの「爲春亭」や庭園の茶室「知足庵」など6棟が平成30年11月に国の登録有形文化財の登録を受けました。美しい日本庭園を眺めながら邸内併設の数寄屋 de caféで、オリジナルや季節の和菓子と爲三郎長寿の秘訣のお抹茶、薫り高い珈琲やおぜんざい(季節限定)などのメニューを楽しむことが出来ます(別途有料)。現在は、美術館の様々な活動とあわせて年間数回の企画展示、各種イベントなどを催しております。
詳細
日程 | 2024年4月27日(土) ~ 6月2日(日) |
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休館日 | 月曜日(月曜日が祝日の場合は開館し翌平日休館) |
時間 | 10:00~17:00(最終入館16:30まで) |
開催場所 | 古川美術館、分館 爲三郎記念館 |
料金 | 【当日】一般1,000円 高大生800円 中学生以下無料 (古川美術館と分館爲三郎記念館 館共通券) |
お問い合わせ先 | 古川美術館・分館 爲三郎記念館 |
TEL | 052-763-1991(英語での問い合わせ否) |
FAX | 052-763-1992 |
アクセス | ●地下鉄東山線「池下」駅 1番出口より東へ徒歩5分 |
※掲載内容は変更となる場合があります。最新の情報は公式ホームページ等にてご確認ください。